大河ドラマ一覧

歴代の大河ドラマの一覧です。ランキングや視聴率、動画の予告編、あらすじ(ネタバレ注意)、キャスト(主演)など。動画ストリーミング配信(U-NEXT、NHKオンデマンドなど)へのリンク付き。(キネヨコ編集部)

2020年代2010年代2000年代1990年代1980年代 ページの先頭↑

2020年代
作品名と動画 見どころ
「鎌倉殿の13人」

(2022年)
【主演】小栗旬

鎌倉時代の源頼朝(よりとも)に仕えた北条義時(よしとき)を中心とする13人の家臣を描く。
「青天を衝(つ)け」

(2021年)
【主演】吉沢亮

近代日本資本主義の父・渋沢栄一の生涯の物語。

主人公渋沢栄一が万博使節団として渡欧する「パリ編」の演出を手掛けた田中健二は「1867年のパリをどう再現し、幕末の日本人がどんなビビッドな反応をしたかを見てほしい」と語った。外国人嫌いだった栄一が彼らを人間として理解し、新しい物事に感動して受け入れるというのを際立たせたという。

2020年10月まで検討していたというパリのロケは、新型コロナウイルス禍で断念。現地と日本のそれぞれで撮影した素材を合成するなど、最新のVFX技術を駆使した。

俳優は眼前に人や風景があるように演じた。田中健二は「相手がいないストレスは相当だったろう。栄一を演じた吉沢亮はイマジネーションを広げて思い切った芝居をしてくれた」と評した。
「麒麟(きりん)がくる」

(2020年)
【主演】長谷川博己

明智光秀の生涯を描く。

出演予定だった女優沢尻エリカが2019年11月に麻薬所持で逮捕された。 このため、急遽、代役として川口春奈が起用された。 撮影を一部やり直したため、放送開始の時期が遅れた。

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2010年代
作品名と動画 見どころ
「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」

(2019年)
【主演】中村勘九郎、阿部サダヲ

日本人としてオリンピックに初めて出場した金栗四三(かなくり・しそう)と、1964年の東京オリンピック招致に尽力したことで知られる田畑政治(たばた・まさじ)の二人を軸に、時代に翻弄(ほんろう)されながらも五輪に情熱を傾けた人々の人生を描いた。 平成最後の作品であり、令和最初の作品。2020年の東京五輪に向けた作品でもあった。

中村勘九郎が演じるのは日本初の五輪選手となったマラソンランナー・金栗四三氏。金栗は、ストックホルム大会で一時失踪するなど、五輪でも紆余(うよ)曲折を味わった人物。 一方、阿部サダヲが演じるのは、1964年の東京五輪招致に大きな役割を果たした元日本水泳連盟会長の田畑政治氏だ。田畑は元新聞記者で、指導者として「日本水泳の父」とも称された人物。 2人もある意味「破天荒」だ。

近現代を描く大河は、1986年の「いのち」以来33年ぶり。主人公のリレー形式は2000年の「葵 徳川三代」以来19年ぶり。

金栗の妻・春野スヤ役に綾瀬はるか(33)、ナレーションに古今亭志ん生役のビートたけし(71)…と豪華な面々が集った。

ドラマは、日本が初めて夏季五輪に参加した1912年のストックホルム大会から、64年の東京五輪開催までの52年間を4章に分け、金栗四三と田畑政治という2人の主人公をリレーして放送される。

ナレーションは、希代の名人と称される落語家・五代目古今亭志ん生が架空の落語「オリムピック噺」を語るという形式。志ん生の視線を通した、明治から昭和までの東京の変遷も描かれる。

脚本は、数々の名作を世に送り出してきた宮藤官九郎(くどう・かんくろう)。破天荒な作風で知られる。物語を単なる群像劇として描くのではなく、全体を架空の「落語の噺(はなし)」に乗せて紡ぎ出すという表現方法を採用した。

ただし、落語と現実が次々に切り替わり、時代も頻繁に転換するため、話が分かりにくいという批判もあった。例年の大河ドラマに比べ、視聴率はかなり低い。一方で、SNSなどでの評価は非常に高く、大河の常識を打ち破る画期的な作品だという声も少なくない。

【あらすじ】
日本で初めて五輪参加した男― 日本に東京五輪を招致した男―。

物語の始まりは1909年。東京高等師範学校の校長・嘉納治五郎(役所広司)の元にオリンピックの招待状が届き、初の「予選会」が開かれる。短距離走では三島弥彦(生田斗真)が、マラソンでは金栗四三(中村)が優勝し、ストックホルム大会に挑む。

金栗は途中棄権、三島は予選敗退と惨敗し、三島は陸上を諦め銀行員に。金栗はリベンジを誓い次回大会に挑んだが、第1次世界大戦によって中止、その後教師の道を歩み、箱根駅伝を創設するなど多くの弟子を育てた。

1930年、スポーツ大国へと成長した日本は、東京五輪の招致運動を開始。田畑政治(阿部)が嘉納と行動を共にする。36年ベルリン大会開会式前日のIOC総会で、東京は辛くも勝利。だが翌年、日中戦争が勃発。軍国化する日本に対し、各国からボイコット運動が起こり、東京五輪は返上された。

そして1959年、田畑らの活躍で再び東京五輪の開催が決定。「東京大改造」が始まった。慢性化する渋滞、進まない住居立ち退き、東京砂漠と言われた水不足…選手村の場所すら決まらない。相次ぐ危機が組織委員会事務総長の田畑を襲う。紆余曲折の中、ついに迎えた東京五輪は―。
「西郷どん」

(2018年)

U-NEXT→ NHKオンデマンド→
【主演】鈴木亮平

「西郷どん」と書いて「せごどん」と読む。 無私な人柄で庶民から慕われてきた西郷隆盛の波乱万丈の一生を、島津斉彬(なりあきら)や篤姫(あつひめ)ら西郷を取り巻く人たちゆかりの史料や品々とともに描く。

西郷は薩摩藩の下級藩士の家に生まれ、斉彬に見いだされて活躍。斉彬の死後に奄美大島での島暮らし、沖永良部島などへの流刑を経て、薩長同盟や戊辰(ぼしん)戦争を遂行し、最後は明治新政府軍との戦いで生涯を閉じた。 西田敏行の語りが楽しい。子供時代が描かれた第1回では、小吉(のちの西郷隆盛、渡辺蒼)がけがで刀を握れなくなるエピソードが描かれた。一度は絶望したものの、島津斉彬(渡辺謙)と出会ったことで、なんとか前向きになった小吉に、ナレーターの西田は「こよいはここらでよかろうかい。西郷どん、チェスト! きばれ!」と締めくくった。第2話では、貧しい農民の娘ふきが売られるのを止めることもできず、涙する西郷(鈴木亮平)に「こよいは……」の決まり文句の後、「西郷どん、まだまだじゃ。もちっときばれ。チェスト! きばれ!」。

大河ドラマで、登場人物にこれほど親しげに語り掛けるナレーターがいただろうか? それはもちろん過去に西田敏行が「翔(と)ぶが如(ごと)く」(1990年)で西郷を熱演し、彼の人生を知り尽くしているからこそ出てくる味に違いない。そう思うと、次は何を言うのかと毎回楽しみになってくる。

大河ドラマのナレーションには主に二つのパターンがある。

一つはNHKの人気アナウンサーが担当するパターンだ。たとえば「国盗(と)り物語」(1973年)の中西龍アナ。美空ひばりもほれ込んだ独特な語りで、のちにフジテレビ系「鬼平犯科帳」(中村吉右衛門版)の語りでも知られた名人である。またNHK時代、ダンディーな二枚目ぶりで人気を博した森本毅郎も「草燃える」(1979年)を担当。冒頭で「一つの時代が終わろうとしていた」と源頼朝(石坂浩二)の時代到来を予感させる印象的な語りを残している。近年では「風林火山」(2007年)の加賀美幸子、「真田丸」(16年)の有働由美子と女性も活躍している。

もう一つは俳優が担当するパターン。俳優の語りは自由自在だ。「葵 徳川三代」(00年)では、水戸黄門こと水戸光圀役の中村梅雀がドラマの主役である自分の祖父(津川雅彦演じる徳川家康)らの物語を、なぜか女優2人(浅利香津代、鷲尾真知子)が扮(ふん)した助さん格さん(のモデルとされる武士)を従え、講談風名調子で遊び心いっぱいにナレーション。

一方、怪談話「百物語」の独り舞台でおなじみの白石加代子は、「義経」(05年)の語りでも「波乱の人生を予感させるようでございました……」など、普通の語りでも怖い話に聞こえてくるという特殊なトーク技を存分に発揮。毎回、視聴者の背中をぞわぞわと刺激した。西田流の語りも大河ドラマ史に確実に残るだろう。
「おんな城主 直虎」

(2017年)

U-NEXT→ NHKオンデマンド→
【主演】柴咲コウ

女性ながら男性名で井伊家の城主となった井伊直虎が主人公。直虎は、幕末の大老・井伊直弼の先祖にして、徳川家康の重臣となる井伊直政(菅田将暉、幼少期は寺田心)の養母。戦国時代、危機にひんした井伊家を男性名で立て直した女城主の姿をダイナミックに描き出していく。

現在の静岡県浜松市にあった井伊家は、戦乱の世で男系が途絶え、尼として出家していた女性の次郎法師に城主として白羽の矢を立てる。これが後の直虎だ。肖像が残っておらず、生まれ年も不明、ここにきて男性説まで唱えられるなど謎が多く、想像の膨らむ人物であることは間違いない。

35歳だった女優の柴咲コウが主演。大河ドラマ初出演にして異色のヒロインに扮(ふん)した。ただし、幼少期からの人間関係をしっかりと描くため、4話までは子役がメイン。柴咲にバトンタッチしてからも城主となる12話まで尼として登場した。

直虎が城主になった後も、当時の社会は女性である直虎の存在をすぐには受け入れられないが、そこから逆転していく。徐々に周囲の理解を得て、機転と交渉力で大国と渡り合っていくさまが物語のエンジンだ。

本作の裏テーマは「直虎と4人の男たち」だ。ヒロインと、さまざまな男性たちとの出会いと別れが物語の横軸となる。その1人目が、婚約者だった井伊直親(なおちか)。大河3作目となる三浦春馬(当時26歳)が演じた。弓を覚え、乗馬クラブに通い、武士としての役作りに余念がないが、撮影当初は大きな悩みがあったという。直親が暗殺されることで、物語は直虎誕生へと動きだす。

制作統括の岡本幸江氏は本作を「女社長が中小企業を立て直していくさま」と例え、現代にも通じるメッセージを投げかけてた。

脚本はNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」、TBS系ドラマ「天皇の料理番」など端正な人間描写に定評がある森下佳子氏が担当。直虎の婚約者(三浦春馬)、井伊家の家老(高橋一生)、盗賊団のかしら(柳楽優弥)…と直虎を取り巻く男性陣が多数登場し、史料の少なさを逆手に取った、自由度の高い物語が展開される。
「真田丸」

(2016年)

U-NEXT→ NHKオンデマンド→
【主演】堺雅人

「大坂の陣」で徳川方を苦しめた戦国武将、真田信繁(幸村)の生涯を描いた。 乱世を力強く歩む信繁(堺雅人)の生きざまに加え、家族愛も見どころ。

ベテラン俳優の草刈正雄が演じた信繁の父・昌幸の存在感も話題となった。 「日本一(ひのもといち)の兵(つわもの)」とも称された信繁にとって、昌幸は知略軍略に優れた偉大な父。策を講じて敵の意表をつき、戦国の世を駆け抜けた。 実は「役の話をいただいた時は右往左往した」という。1985年の「真田太平記」(NHK)では信繁役で、昌幸役は丹波哲郎(故人)だった。約30年を経た巡り合わせに「縁も感じた」が、当初は丹波の強烈なイメージがぬぐえなかった。しかし、衣装をまとい、鏡の前に立つと気持ちが入った。「ピンと来た。これは“昌幸”ができるぞと」。不敵な笑み、つかみ所のない振る舞い、豪快な物言いだが気は小さく、おちゃめ。そんな唯一無二の昌幸像を好演した。三谷幸喜の脚本をしっかり消化した成果だ。
「花燃ゆ」

(2015年)

予告編(NHKアーカイブス)→
【主演】井上真央
「軍師官兵衛」

(2014年)

予告編(NHKアーカイブス)→
【主演】岡田准一
「八重の桜」

(2013年)

U-NEXT→ NHKオンデマンド→

【主演】綾瀬はるか
「平清盛」

(2012年)
予告編(NHKアーカイブス)→
【主演】松山ケンイチ
「江~姫たちの戦国~」

(2011年)

U-NEXT→

NHKオンデマンド→

ひかりTV→
【主演】上野樹里
【見どころ】大河ドラマの大きな節目となる第50作は、織田信長の妹・市の三女、江(ごう)が主人公。戦国の動乱で幼くして父と母を亡くし、3度の政略結婚を余儀なくされながらも前向きに生き、最終的には徳川2代将軍・秀忠の正室、そして3代将軍・家光の母となった、江の波乱に満ちた生涯にスポットをあてる。原作・脚本を手がけたのは「篤姫」で大きな話題を呼んだ脚本家・田渕久美子。戦国を力強く生きた女性たちを感情豊かに描き、今までとはひと味違った切り口で武将や姫たちの姿に迫る。 主演は大河ドラマ初登場、時代劇も初挑戦で、自信も三姉妹の末っ子だという上野樹里。コミカルもシリアスも幅広くこなす演技力を買われて起用された。長女の淀役は宮沢りえ、二女の初役に水川あさみと、浅井家の美女三姉妹の共演も注目される。
「龍馬伝」

(2010年)

U-NEXT→

NHKオンデマンド→

【主演】福山雅治
【見どころ】坂本龍馬といえば、大河ドラマ第6作の原作にもなった司馬遼太郎の「竜馬がゆく」があまりにも有名だが、本作ではカリスマ的人気を誇るアーティスト・福山雅治を龍馬役に抜擢し、偉業を成し遂げた雲の上の人ではなく、すぐ隣にいる等身大のヒーローという新しい龍馬像をオリジナル脚本で作り出した。名もなき土佐の若者が日本を動かす「龍」に進化していく様と、龍馬を取り巻く人間模様を描く。また、幕末は西洋諸国が黄金の国“ジパング”にビジネスチャンスを求めてやってきた時代でもあることから、龍馬と同時期に土佐に生まれ、三菱財閥の礎を築いた経済人・岩崎弥太郎をキーマンとして登場させた。貧しい地下浪人の家に生まれた苦労人、弥太郎の人生ドラマも絡ませ、龍馬への嫉妬、憎しみ、憧れを抱き続けた弥太郎の視点から語られる龍馬“伝”となった。

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2000年代
作品名と動画 見どころ
「天地人」

(2009年)

予告編(YouTube)→

U-NEXT→

NHKオンデマンド→

ひかりTV→
【主演】妻夫木聡
【見どころ】越後の名門・上杉家の重臣、直江兼続の生涯を描いた作品。利発だった兼続は5歳のとき、4歳年上で上杉謙信の養子・景勝の家臣となる。以来、謙信の実子との家督争いに勝つことになる景勝を側近として生涯支えた。謙信から「義」を貫くことの大切さを学び、戦乱の日々の中で仁愛の「愛」という信念にたどり着いた兼続は、兜に「愛」の文字を掲げる。そして、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗らを魅了し、また恐れられもする名参謀役となってゆく。 兼続が泣き虫だという人物造形や、母・お藤が幼い与六に武士の生き方を言い聞かせる「紅葉の教え」などは原作にはないオリジナルだった。「来るべき冬に備えて幹を守るために、木は葉に行き渡らせていた栄養分を止める。深紅は、葉が死ぬ間際に見せる色。大切なものを守るために紅く散ってゆく紅葉は、武士の生き方に通じる」というその内容は、脚本の小松江里子が日本画家・堀文子の言葉から思いついたものだったという。
「篤姫」

(2008年)

dailymotion(第1話)→

NHKオンデマンド→
【主演】宮﨑あおい
【見どころ】薩摩藩・島津家の分家に生まれながら、将軍の正室となった篤姫。そのシンデレラ・ストーリーと、しなやかな強さで波乱に満ちた運命を乗り越えた一生を描く。宮尾登美子の『天璋院篤姫』を、田渕久美子が脚本化した。 於一(篤姫)は、囲碁や歴史書が好きな好奇心いっぱいの少女。男子の学問所に男装してまぎれ込んだりもする行動派で、重臣の家柄の小松帯刀とも親しくなる。薩摩藩主・島津斉彬は、於一の資質を見抜き養女にする。さらには一橋慶喜を次期将軍職に就けるという遠謀深慮から、十三代将軍・徳川家定の正室として江戸城に送り込む。 篤姫は老女・幾島らと江戸へ向かい家定と結婚するが、病弱な家定はわずか1年半余りで病死。 篤姫は仏門に入り天璋院を名乗る。その後、十四代将軍家茂の正室・皇女和宮との確執を乗り越え、大奥の最高実力者として薩摩に働きかけて江戸城を無血開城に導くなど、最後まで徳川家の人間として力を尽くした。
「風林火山」

(2007年)

NHKオンデマンド→

【主演】内野聖陽
【見どころ】武田晴信(信玄)に仕えた伝説の軍師・山本勘助の波乱の生涯。井上靖の小説『風林火山』をもとに、大森寿美男が脚本化した。原作の冒頭で描かれる勘助の武田家仕官のエピソードがドラマで登場するのは第12回で、第11回までは、勘助が諸国を放浪する、大森のオリジナル・ストーリーとなった。 諸国を巡っていた隻眼の浪人・勘助は、村娘ミツを救う。しかし勘助の子どもを身ごもつたミツは信虎に殺されてしまう。勘助は復しゅうのために武田家に近づき、信虎の嫡男・晴信と出会う。晴信の家臣となった勘助は、信濃をはさんで武田と対峙する宿敵上杉との生涯の戦いに飲み込まれていく。内野聖陽に加え連続テレビドラマ初出演の歌舞伎俳優・市川亀治郎、長尾景虎(上杉謙信)役のミュージシヤンGACKTが強烈な個性をぶつけ合った。またミツ役で一気に注目を浴びた貫地谷しほりが2008年10月放送スタートの連続テレビ小説「ちりとてちん」の主役に抜てきされたことも話題になった。
「功名が辻」

(2006年)

Amazonビデオ→ NHKオンデマンド→

【主演】仲間由紀恵
【見どころ】“内助の功”の代名詞「山内一豊の妻」。その妻・千代と一豊の出会いから、千代の晩年までをつづった。戦で父母を失った幼い千代は、山中を逃げ回るうち、仕官先を求めて戦場を渡り歩いていた若武者・一豊に助けられる。成長した千代は、侍女として仕えていた竹中半兵衛の仲立ちで、一豊と運命的に再会。2人は結婚する。あるとき千代は、貧しかった一豊に自分の持参金を渡して駿馬を買わせた。 このことが、主君・織田信長の耳に達し一豊の立身出世のもととなる。信長、豊臣秀吉、徳川家康に仕えた一豊は、折々の千代の内助に支えられ、ついには土佐二十四万石の領主となる。女性に関する資料がほとんど残されていない戦国時代にあって、千代は、その名を語り継がれてきた稀有な存在。“合併・吸収・倒産”が繰り返される城という“企業”のなかで生き抜く夫の出世を支えた。 司馬遼太郎の原作を脚本化した大石静は、「お命の持ち帰りこそ功名の種にございます」の決めぜりふで、今に通じる千代像を描いた。
「義経」

(2005年)

チャンネル銀河→

【主演】滝沢秀明
【見どころ】宮尾登美子の原作『宮尾本 平家物語』と、このドラマのために書き下ろした『義経』をもとに、金子成人が脚本化した。源平の歴史の底に流れる家族の物語。欠落した“父”を求める源義経の心の揺らぎを浮かび上がらせながら、義経の生きた30年の人生を描いた。 幼名・牛若として義経が生まれて間もなく、平治の乱で父・義朝は平清盛によって殺害される。 そして美しい母・常盤は清盛の愛妾となり、幼い牛若は清盛を父と慕うようになる。しかし、常盤の存在が清盛の妻・時子の知るところとなったため、常盤は清盛のもとを去り、牛若は鞍馬寺に預けられ遮那王と名乗る。元服して義経を名乗るようになると、出家を迫る平家から逃れ、源氏ゆかりの奥州で奥州藤原氏の当主・秀衡のもとに身を寄せる。そして、弁慶ら家来とともに異母兄・頼朝のもとに参じて先頭に立って平氏を滅亡させる。 しかし義経の大活躍は、頼朝に疑心暗鬼を生じさせることになるのだった。
「新選組!」

(2004年)

予告編(NHKアーカイブス)→

【主演】香取慎吾
【見どころ】20代の終わり、1863年に新選組を組織し、その局長として幕末の6年間を駆け抜けた近藤勇と、ともに戦った仲間たち。脚本を書き下ろした三谷幸喜は、34歳の若さで生涯を閉じた勇の生涯から、「浪士組結成」「上洛」 「芹沢鴨粛清」「新選組誕生」「池田屋事件」「龍馬暗殺」「隊士の脱走」「鳥羽伏見の戦い」や、さまざまな理由による仲間の死など、インパクトのあった49日を選び、1話分をほぼ1日の出来事として描いた。また、近藤や仲間たちの目を通して幕末を描きたいとの考えから、客観的な語り口となるナレーションを極力少なくするなど、三谷ならではのアイデアが随所に盛り込まれた。 近藤勇役の香取慎吾以下、山本耕史(副長・土方歳三)、藤原竜也(沖田総司)、オダギリジョー(斎藤一)、山本太郎(原田左之助)、堺雅人(山南敬助)、中村勘太郎(藤堂平助)、山口智充(永倉新八)、照英(島田魁)などの俳優が、若さと勢いのある新選組隊士を生き生きと演じてそれぞれ人気を集め、一方で、勇らと壬生浪士組を結成して筆頭局長となる芹沢鴨役の佐藤浩市、多摩時代からの兄弟子で「源さん」と隊士たちから慕われた井上源三郎役の小林隆らベテランの存在感が重みを与えた。 物語は、新選組結成10年前の江戸から始まる。剣術の道場を継ぐために修業に励んでいた21歳の近藤勇。ある日、親友の土方歳三と一緒にいたとき、ちょっとしたことから桂小五郎といさかいになる。そこに仲裁に入ったのが、千葉道場の坂本龍馬。2人は龍馬に誘われ佐久間象山のお伴をして、江戸を騒然とさせた黒船を見に行く。
「武蔵 MUSASHI」

(2003年)

予告編(NHKアーカイブス)→

【主演】市川新之助(現・市川海老蔵)
【見どころ】戦国時代末期に生まれ、江戸時代までの動乱を生き抜いた剣豪・宮本武蔵。すでに、江戸時代の後期には歌舞伎『敵討巌流島』が上演されるなど、早くから浄瑠璃、講談の世界でも人気だった武蔵の物語を、吉川英治の小説『宮本武蔵』をベースに鎌田敏夫の脚本でドラマ化した。人間の持つ弱さを克服しながら、己を追究し、兵法と人生を切り開いてゆく武蔵の姿が、幼なじみのお通との恋や、親友・本位田又八との友情を織り交ぜながら描かれた。 17歳の武蔵は、又八とともに関ヶ原の戦いに参戦した。しかし、2万5000丁の鉄砲が集められた大合戦で、武蔵たちの力は無に等しかった。主君のいない一介の浪人・武蔵は、諸国を放浪しながら自らの剣術に磨きをかけてゆく。剣豪を相手に負け知らずの武蔵は、29歳で宿命のライバル・佐々木小次郎との“巌流島の決闘”の日を迎え、勝利する。第33作「花の乱」で大河デビユーした市川新之助が大河ドラマの初の主役を務め、『荒野の用心棒』『海の上のピアニスト』など数々の有名な映画音楽を手がけたイタリアの作曲家エンニオ・モリコーネが音楽を手がけたことも話題を呼んだ。
「利家とまつ~加賀百万石物語~」

(2002年)

NHKオンデマンド→

【主演】唐沢寿明、松嶋菜々子
【見どころ】加賀百万石の祖・前田利家と、賢夫人として知られる妻・まつの夫婦愛とサクセスストーリーを軸に、戦国群像を描いた。 尾張国荒子(名古屋市中川区付近)を治める前田利昌の4男として生まれた利家は、少年のころ華美な格好や奇抜な言動で“かぶき者”と言われていた。そんな利家は、自分以上にかぶいていると評判の織田信長と出会い、父の反対を押し切って信長に仕える。稲生の合戦で手柄を立てた利家は、側近集団・赤母衣の筆頭となり帰郷。幼いころ前田家の養女となり、美しく成長していたまつと再会し結婚する。本能寺の変で主君・信長を失った利家は、豊臣秀吉に従い、大名として加賀百万石の基礎を築いていく。 ときとして優柔不断な面も見せる利家だったが、まつは、2男9女を産み育て、幸福なときも不遇のときも、明るく気丈に利家を支え続けた。利家が悩むとき、落ち込むとき、逆境に陥ったときに発するまつの「わたくしにお任せくださりませ!」という一言が利家の多くの苦難を救うことになった。利家の没後、徳川家康が天下を取った際には、前田家と徳川家との争いを避けるために、まつは人質として江戸城に入ることを決意。晩年までの15年を過ごした。
「北条時宗」

(2001年)

NHKオンデマンド→

【主演】和泉元彌
【見どころ】チンギス・ハンの孫フビライによる蒙古襲来のあった13世紀の鎌倉時代に、文永の役、弘安の役の2度の危機に立ち向かつた北条時宗。 18歳の若さで鎌倉幕府の執権となった時宗の34年の短い一生は、幕府内の骨肉の争い、異母兄・時輔との確執にさいなまれる苦悩に満ちたものだった。執権・北条時頼の正室の子として生まれた時宗は、側室の子、兄・時輔を抜いて、家を継ぐ立場となる。18歳の時宗が執権に就任したその年、蒙古からの国書が届く。都を大都(現在の北京)に移し、高麗(現在の朝鮮半島)をも服属させていた蒙古は、たびたび日本に貢ぎ物を要求したが、時宗はこれを退けた。国内では政敵を倒し、国外に対しては蒙古への防備を進める時宗は、やがて対立勢力である時輔の命をも狙うようになる。 中国の内モンゴルでの大規模ロケのほか、CGやデジタル合成技術を駆使して蒙古襲来シーンを再現するなど、スケールの大きい作品となった。テーマ曲にはモンゴルの女性歌手ノロヴバンザドの歌声が流れた。
「葵 徳川三代」

(2000年)

NHKオンデマンド→

【主演】津川雅彦
【見どころ】江戸時代の幕藩体制を確立させた徳川家康、秀忠、家光の治世と人生を軸に、徳川三代の物語を展開。第1回を「総括関ヶ原」として、第2回から13週にわたって描かれる関ヶ原の合戦のハイライトを一挙に紹介するという独特の構成だった。 大河ドラマ初のハイビジョン撮影に対応すべく美術スタッフはその5年も前から準備を進め、豪華絢燗な襖絵などで当時の大坂城の様子を再現。合戦シーンでも、極彩色の鎧兜や甲冑のリアルな色合い、ぶつかり合う槍の1本1本が映し出されるなど、迫力ある映像が実現した。ハイビジョンで見た視聴者はまだ少なかったが、高画質でワイド画面の迫力に驚きの声が寄せられた。 ドラマの案内役を水戸光圀に扮した中村梅雀が担当。 系図などを用いながら、物語の背景をわかりやすく解説するスタイルが話題に。 光圀=黄門様でおなじみの2人の家臣、介さん(佐々介三郎)、覚さん(安積覚兵衛)に女優を起用したのもユニークだった。

2020年代2010年代2000年代1990年代1980年代 ページの先頭↑

1990年代
作品名と動画 見どころ
「元禄繚乱」

(1999年)

予告編(NHKアーカイブス)→

【主演】中村勘九郎(現・中村勘三郎)
【見どころ】赤穂(現・兵庫県赤穂市)浅野家の家老職の家に生まれ、21歳で家老となった大石内蔵助。“昼行灯”とあだ名をつけられるほど安穏と生きていた彼の日常は、“松の廊下事件”で一変する。 吉良上野介に刃傷に及んだかどで、主君・浅野内匠頭が幕府から即日切腹を言い渡され、領地を召し上げられてしまう。内蔵助はお家の再興を図るものの、将軍・徳川綱吉の側用人・柳沢吉保の謀略により、赤穂藩は断絶。藩士たちは禄を失い、浪人となった。 主君の仇討ちを目論む内蔵助は、本意を隠しながら機会をうかがい、1702(元禄15)年12月14日深夜、堀部安兵衛ら47人の赤穂浪士の首領として江戸本所の吉良邸に討ち入った。 元禄時代は、幕藩体制が安定を見せ、町人の台頭が始まった、いわば江戸時代のバブル期。そんな時代の華やぎとともに、赤穂浪士たちを中心に百花練乱の人間ドラマが描かれた。
「徳川慶喜」

(1998年)

NHKオンデマンド→

【主演】本木雅弘
【見どころ】260年余続いた江戸幕府。その最後の将軍・徳川慶喜の生い立ちから幕府の終焉までを描いた。御三家・水戸徳川家の7男として生まれた慶喜は、11歳で御三卿・一橋家の養子となる。 ペリー艦隊の来航以降、揺れて権威を失っていく幕府のなかで“最後の切り札”的存在となった慶喜は30歳で十五代将軍となる。ナポレオンに共感し、ヨーロッパの事情にも通じていた慶喜は積極的な政治改革、軍事改革を推し進めるが、倒幕運動は激しさを増し、大政奉還を決意する。慶喜は将軍職在任中は一度も江戸城に足を踏み入れたことがないという異例の将軍だった。幕末の激動と格闘した慶喜の葛藤とともに、同時代の江戸庶民たちの姿を活写。斉昭、慶喜と親交があったという設定の江戸火消し新門辰五郎の女房・れんがドラマの語りを務め、庶民の立場で江戸の日常や、為政者たちの行動を解説した。 ドラマ終了後のコーナー「徳川慶喜紀行」のナレーションは、キャスターの小宮悦子が務め、話題となった。
「毛利元就」

(1997年)

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【主演】中村橋之助
【見どころ】「三矢の教え」で知られる毛利元就を生誕500年に当たるこの年に取り上げた。安芸国(広島県)の小領主・毛利弘元の次男として生まれた元就は、病気がちだった母を5歳で失い、5年後に父を、20歳のときに兄を失う。さらに、家を継いだ兄の遺児も早世したため、27歳で毛利家を相続。 200余の合戦を戦い、政略を駆使して毛利家を西日本最大の大名に成長させた。 豪傑と受けとめられる元就だが、家族などにあてた現存する手紙には、ひとりの男としての悩みもつづられている。そんな元就の人間味あふれる姿を、永井路子の二つの原作(『山霧』『元就、そして女たち』)を下敷きに、内館牧子が娯楽色豊かに描いた。 愛妻・美伊の方が47歳で亡くなるまで側室を持たなかったという元就が、妻の膝枕で弱音をこぼす姿や、「3本の矢」を4本に書き換えてのエピソードなど、オリジナルの脚色が随所にちりばめられている。少年時代の元就(幼名・松寿丸)を演じたV6の森田剛、元就の嫡男・隆元役の上川隆也などの起用も話題になった。
「秀吉」

(1996年)

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【主演】竹中直人
【見どころ】戦国時代、尾張の貧しい農民の子として生まれ、織田信長の足軽から、ついには天下人にまで上りつめた豊臣秀吉。その出世物語を、現代の視点から再解釈。堺屋太一の小説をもとに、武家社会という組織のなかでの出世競争、派閥争い、そして、そこに属する一人ひとりの熱い夢を、現代の組織に生きるサラリーマンと重ね合わせるようにして描いた。また、エネルギッシュな母・なか、秀吉を生涯支えた正室・おね、秀吉の片腕となり天下統一に貢献した弟・秀長ら、家族たちの姿にも光を当て、ファミリードラマ色も強調。 家族をめぐる視点から、視聴者の共感と理解を呼ぶ物語が展開された。 それまで映画を中心に活躍しており、連続ドラマ初主演となった竹中の生き生きとした演技が人気に。美化・神格化しすぎないヒーロー像と、明るくコミカルなタッチの脚本も広い年齢層に受け、平均30・5%という高視聴率を記録。歴代の大河ドラマのなかでも上位に入るヒット作となった。
「八代将軍 吉宗」

(1995年)

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【主演】西田敏行
【見どころ】江戸幕府中興の祖と呼ばれた徳川吉宗の人間味あふれる活躍を、シリアスかつコミカルに描く。1684年、紀州藩主徳川光貞の四男として生まれた吉宗。当時の常識からすれば、まず跡継ぎにはなれない存在だったが、兄や父が相次いで亡くなり紀州藩主の座に就く。さらには、七代将軍・家継が跡継ぎのないまま8歳で病死したことから、家康のひ孫である吉宗が八代将軍に決まったのだった。吉宗は、幕府の慢性的な財政難を立て直すため、享保の改革を断行。人材の交代や経済改革、医学や洋学の奨励、目安箱の設置など、多彩な改革を行い情勢を安定させた。 脚本は第25作「独眼竜政宗」を手がけたジェームス三木で、大河ドラマ2作目。 また、西田は、第28作「翔ぶが如く」の西郷隆盛役に続く2度目の大河ドラマ主演だった。
「花の乱」

(1994年)

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【主演】三田佳子
【見どころ】幽玄美を体現する東山文化が開花した室町時代後期。だが、一方では、各地の大名が東軍・西軍に分かれて11年間も戦った戦国時代の前ぶれともいえる応仁の乱(1467~77年)が起きた時代でもあった。 政治より文化や風流の世界を好んだ八代将軍・足利義政は、銀閣寺に代表される東山文化を築いた人物。そんな夫に代わって政治を切り盛りし、理財の才も発揮した才色兼備の正室・日野富子の波乱に富んだ生涯を描く。 富子が引き起こした我が子・義尚と義政の弟・義視との後継者争いが応仁の乱の原因のひとつとなったとも言われ、後世の歴史家たちから“希代の悪女”とも評された富子は、本当に悪い女だったのか。脚本家の市川森一が新解釈を加えながら、これまで掘り下げられることの少なかった富子の実像に迫った。
「炎立つ」

(1993年)

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【主演】渡辺謙
【見どころ】平安時代末期、蝦夷地と呼ばれ中央からの偏見にさらされていた東北地方で、平安京に匹敵するほどきらびやかな大都市・平泉が誕生し、中尊寺金色堂などに象徴される仏教文化が栄え、その栄華は奥州 藤原氏四代、約100年の問続いた。奥州藤原氏誕生の序章から滅亡までを、主人公を変えながら3部構成でつづった作品。9か月の放送期間となった。第1部は、父の代に都から陸奥に移り郡司を務めるが、前九年の 役で源頼義・義家父子に敗れて処刑された奥州藤原氏の祖・藤原経清の波乱の人生。第2部は経清の子で奥州藤原氏の初代となった清衡が過酷な運命を生き延び、平泉に華やかな都を築くまでを、第3部は、四代泰衡が戦を避けようと努力しながらも、鎌倉幕府を開く源頼朝によって滅ぼされるまでを描く。
「琉球の風 Dragon Spirit」

(1993年)

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【主演】東山紀之
【見どころ】陳舜臣の長編小説をドラマ化。明の帰化人の子孫で琉球人医師の父・楊邦義と母・真鶴の長男・啓泰と真鶴の不義から生まれた弟の啓山。この兄弟を中心に、16世紀末から17世紀にかけて、琉球が薩摩藩島津氏に支配されていった時代を描く。主人公・啓泰は架空の人物だが、近世琉球の発展に尽くす啓泰と、独自の琉球舞踊を創出する啓山には、それぞれモデルとなった実在の人物がいるという。啓泰と啓山は、明で幼少期を過ごすが、倭寇に襲われ、父母が行方不明になってしまう。その後2人は、武術家・震天風に助けられ琉球に渡るが、やがて父・楊邦義が島津で、母・真鶴が京都で生きていることを知る。
「信長 KING OF ZIPANGU」

(1992年)

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【主演】緒形直人
【見どころ】織田信長は第29作までの8作品に登場しているが、主人公になるのは初めて。人気となった第26作「武田信玄」の脚本を担当した田向正健が書き下ろし、従来、型破りな暴君としてとらえられることの多かった信長を、人間味あふれる政治家、文化人としても描いた。1563年に来日、畿内でのキリスト教布教を許されたポルトガル人宣教師ルイス・フロイスの回想を通して、人間・信長が語られた。信長役の緒形直人は、第3作「太閤記」、第20作「峠の群像」で主役を務めた父・緒形拳と、親子二代での主演を果たした。また、菊池桃子、仲村トオル、中山美穂など若手俳優を多数起用したことも特徴的だった。フロイスによるナレーションが日本と西欧が初めて接近した時代を象徴。「アテブレーベ・オブリガード!(「また近いうちに。ありがとう」の意味)」のあいさつで毎回の放送を締めくくった。
「太平記」

(1991年)

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【主演】真田広之
【見どころ】室町幕府初代将軍・足利尊氏の生涯を描いた。原作は、吉川英治の『私本太平記』。鎌倉時代末期、尊氏は幕府と対立した後醍醐天皇に味方し、新田義貞らと呼応して鎌倉幕府を打倒、後醍醐天皇による親政が始まる。しかし尊氏は後醍醐天皇と対立、天皇側の義貞、楠木正成らと戦い、一度は九州まで追い詰められる。しかし反攻して新田、楠木勢に勝利する。しかし、尊氏と後醍醐天皇の和解は失敗。後醍醐天皇は南朝を興し、2人の天皇が併存する南北朝期は数十年続くことになった。大河ドラマで南北朝期が描かれるのは初めてだった。真田広之と、妻・登子役の沢口靖子が大河ドラマで夫婦役を演じるのは2度目。第25作「独眼竜政宗」では、伊達政宗の娘(沢口)と徳川家康の息子(真田)は不本意な離縁をするが、本作品では登子が尊氏の支えとなり添い遂げる。
「翔ぶが如く」

(1990年)

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【主演】西田敏行
【見どころ】新しい日本の姿を求めながら二人三脚で歩んだ、西郷隆盛と大久保利通。同時代、薩摩の同じ村に生まれ育った2人の維新前後を題材に、司馬遼太郎の同名小説を小山内美江子が脚色した。第1部「幕末編」、第2部「明治編」の2部構成で、西郷、大久保の軌跡とともに、新しい国家づくりに奔走した人々の姿を多角的に描いた。 せりふやナレーション(第1部・草野大吾/海老原穆役、第2部・田中裕子/西郷いと役)に薩摩言葉を積極的に導入し、リアルな薩摩の空気感を演出。また、何度かロケが行われた地元の鹿児島県では「翔ぶが如く館」が開設され、奄美大島には「愛加那の郷」(愛加那は、隆盛の側室となった奄美大島の女性の名。石田えりが演じた)が設けられるなど、ドラマにちなんだ観光事業も積極的に行われた。

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1980年代
作品名と動画 見どころ
「春日局」

(1989年)

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【主演】大原麗子
【見どころ】幼名・竹千代、後の三代将軍・徳川家光(江口洋介)の乳母として竹千代に深い愛情を注ぎ、家光の将軍就任後は、大奥取締、将軍の相談役として政治の場に大きな影響力を持った春日局(大原麗子)の生涯を描いた。幼い日、おふくと呼ばれた春日局は、4歳のときに、山崎の合戦で戦死した父がはりつけにされる無残な姿を見てショックを受け、母・お安(佐久間良子)とともに戦乱の世を生き延びながら、心から平和を願うようになる。後年、徳川家に奉公に上がり、家康(丹波哲郎)によって竹千代の乳母に指名された春日局は、朝廷と幕府の関係修復など、平和を目指す政治行動を通して幕府の創成期を支えてゆく。 橋田壽賀子の書き下ろし作品。橋田は「戦争を生き抜いて平和を見た」女性として、春日局に自身の体験を重ね合わせ、平和への願いを託しながら書いたという。
「武田信玄」

(1988年)

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【主演】中井貴一
【見どころ】戦国時代、甲斐(山梨県)の国主として乱世を駆け抜けた武田信玄(中井貴一)の生涯。20歳のとき、無理な出兵と極端な武断政治により人望を失っていた父・信虎(平幹二朗)を駿河(静岡県)に追放した信玄は、民政に力を注ぐ一方、70回近い戦で広大な領土を獲得した。越後(新潟県)の宿敵、上杉謙信(柴田恭兵)とは、信濃(長野県)の川中島で10年余、5回にわたって戦うが、決着はつかなかった。52歳で上洛を決意、徳川家康(中村橋之助)と援軍の織田信長勢を三方ヶ原の戦いで破るが、志半ばにして病に倒れ生涯を閉じる。信玄の初恋の少女・おここと、おここにそっくりだという設定の側室・湖衣姫の2役を、南野陽子が演じた。また、語りを、信玄の母・大井夫人役の若尾文子が担当。ドラマの締めくくりの言葉「今宵はここまでに致しとうござりまする」が、同年の流行語大賞に選ばれた。
「独眼竜政宗」

(1987年)

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【主演】渡辺謙
【見どころ】近代を舞台にした大河ドラマが3作続いた後、4年ぶりに登場した時代劇作品。平均視聴率39.8%は、第49作までの大河ドラマのなかで歴代最高を記録した。 戦国時代後期に生まれ、奥羽の暴れん坊と呼ばれ、一代で仙台六十二万石の基礎を築いた隻眼の武将・伊達政宗(渡辺謙)の物語。 幼名を梵天丸と名付けられた政宗は、5歳のときに庖瘡のため右目を失明するが、その資質に期待をかけていた父.輝宗(北大路欣也)は幼い息子に王者の教育を施す。18歳で家督を相続した政宗は、米沢を中心に急速に勢力を伸ばし、中央への進出を図る。ししかし、時代は秀吉の天下。秀吉の没後、政宗の前には家康が立ちはだかる。 「20年早く生まれていたら天下を取れたかもしれない」武将の生きざまを、ジェームス三木が脚本化した。原作は、山岡荘八の『伊達政宗』。

出典:
NHK大河ドラマ大全 50作品徹底ガイド完全保存版 (教養・文化シリーズ)

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